4月開催

 

高木智広 Tomohiro Takagi

高木智広の作品で一番の特徴は何かと問われれば、私たちの意表をつくアイデアの独創性とまず答え
ることになるでしょう。ここしばらく高木作品のテーマになっている「動物のかぶりものを身にまと
う人間たち」そのものが奇異な発想ですが、そのさまざまな振る舞いのシーンひとつひとつがまた私
たちを不意打ちするもので、私たちはしばし作品の前に立ち尽くしてしまいます。

高木作品のもう一つの特徴は、ともすればアイデア倒れになってしまうところを綿密な画面構成と細
部にこだわる描写力で想像世界に高い完成度を与えていることです。これを実現できる作家はそう多
くはいません。 では、高木作品の魅力は奇抜なアイデアと描写力だけかと言えばそうではなく、たと
えば最近のテーマで言えば、すでに滅んでしまった動物たち(言うまでもなくそ主犯は人間です)を
演じる人間たちという終末論な未来世界を描くことで、今現在滅びつつある動物たちへの哀惜の感情
を背景に、あらためて人間と動物の境界線がどこにあるのかを私たちに問いかけている作家がいるの
です。終末世界から私たちの世界を見つめるほろ苦い、ユーモラスな視点はどんなテーマを取り上げ
ていても高木作品を貫いています。

というわけで言葉にすれば「圧倒的な奇想のイメージと漂うリリシズム」と高木作品を形容できるで
でしょうが、まずはご覧いただき直接感じていただくしかありません。すでに内外に熱心なファンを
獲得している作家ですが、私たちでは初個展となります。オープニングはART FAIR TOKYOと重なり
ますが、ぜひぜひご高覧ください。

 

 「孵(カエ)ル」



[経歴]

1972 岐阜に生まれる 幼少より動物と育ち、よく動物図鑑を模写する。
1992 武蔵野美術大学 短期大学部美術科卒
1993 ニューヨーク滞在  
1994 パプアニューギニアを旅し、原始の生活をおくる人々に触れる。
   現代社会がいかに自然と無縁なものか痛感する。
1995 フランスへ渡る。今までなんとなく用いてきた油彩の技法への無知さを知り、
           油彩画の原点であるフランドルの古典技法を研究する。
1996 パリ自然史博物館にて動物骨格の研究。動物画を多く制作する。
1997 帰国 京都在住
1998 個展「STILL LIFE」 ギャラリーエス(東京)
1999 欧州各地の自然史博物館を取材、写真作品を制作
2000 二人展「FALL TO THE HOLE」 ギャラリーエス(東京)
2001 日本各地の遊園地のお化け屋敷を取材、その造形人形を百点描いた「百鬼営業」を制作
2002 グループ展「JET」 ギャラリーそわか(京都)
           ギャリーエス(東京)
2003 京都西陣の古い町家を改築し、STUDIO HELLOWINDを設立
2004 画名「高木 都夢」にて、夢想的絵画を制作。
   個展「ユーレイ雲」 ギャラリーそわか(京都)
2006    個展「ヒトが演じる動物園」 なびす画廊(東京)


              


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