5月

 

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 Kwon Kyung Yup 展   

 5月8日(土)~29日(土)
 レセプションパーティ 5月8日 午後6:00~

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Kwon は制作にあたって、まず写真を撮影し、その後、写真をベースにしたスケッチを行い、
最後に油彩で描くというプロセスを採用しています。
写真の持つリアリティと虚構性の上に、作家の想像力が重ねられ、その結果、独特のリアリ
ティを生み出すこの手法は現在では内外を問わずさほど珍しいわけではありません。
Kwonはその綿密な手法でも際立っていますが、それよりもやはり一貫して作品に「白い包帯」
という象徴的な装置を配置することを通じて、シンプルでありながらインパクトある肖像画
を描いていることにあります。
包帯の間隙に描かれる少年や少女たちの無垢なまなざし、あるいは包帯で巻かれたフラジャ
イルな身体は、過去に体験した、そして今でも時折フラッシュバックしてくるに違いないト
ラウマとの格闘を無言で訴えてきます。
Kwonがなぜ古典的ともいえる肖像画を描くのかといえば、トラウマは身体に刻印された見え
ぬもの(スティグマ)であり、言葉を越えたものであるがゆえに、私たちを見返すまなざし
と身体でしかトラウマとの格闘を表現できないからだと思われます。
そして「白い包帯」はそんな彼らの言葉にならない苦闘を浄化し、癒す不可欠な装置のよう
に見えます。ただし、包帯の「白」は時に自己消滅(無)という形での「癒し」をも暗示す
るものであり、Kwonの作品には再生への希望とともに不穏な気配も漂っています。そしても
し生をエロスという言葉で表現すれば、不穏とはタナトスであり、死です。Kwonの作品はど
れも静謐さをたたえていますが、それはエロスとタナトスの両者を同時に描いているからだ
と思われます。
だとすれば、Kwonはただたんに思春期の少年や少女たちの苦闘だけではなく、人生そのもの
を象徴的に描こうとしていることになるでしょう。

 

 

 "Eternity" 2010 116.8x91cm Oil on canvas

 

 


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